FITとは
FIT(フィット)とは、英語の「Feed in Tariff」を略したもので、日本語でいうと「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のことです。
「Feed in Tariff」
「Feed in Tariff」とは、再エネを導入した際に、10年~20年の長期に渡って、「固定価格」で電力会社が再エネを買い取ることを契約する制度のことをいいます。
「Feed in Tariff」 は、もともと1978年にアメリカで導入された電力の契約制度で、再生可能エネルギーの普及を促進させることを目的に、導入側を優遇するために制定されました。
世界中で「Feed in Tariff」が採用されるようになり、ドイツや中国でも早くから「Feed in Tariff」が導入され、再エネ普及に向けた積極的な取り組みが見られています。「Fit」「FITs」と呼ばれることもあります。
参照:What is a Feed in Tariff – Investopedia
日本の「固定価格買取制度」
国内では2009年あたりから、電力会社の再エネの買い取りが始まり、2011年の福島原発事故をきっかけに、2012年7月より国の政策として「FIT/固定価格買取制度」が本格的に導入されました。
2000年代に入ってからの、国内における再エネ導入の伸び率は1ケタ台だったものが、2012年にFIT制度が開始されてから約5年間で26%にまで拡大しています。
2019年の時点における国内の再エネ電源比率は、全体の19%となり、2030年には22%~24%以上の拡大を目指してます。エネルギー自給率が低い日本では、今後の再エネによるエネルギー自給率の向上が課題となっています。また、世界的な課題となっている地球温暖化対策としても再エネ普及が急がれています。
FITの仕組み
FITの対象となる再生可能エネルギーは、「太陽光発電」「風力発電」「水力発電」「地熱発電」「バイオマス発電」の5種類で、導入した年度のFIT買取価格での契約となります。
各再エネの買取価格は、導入コストや導入状況、総発電量・入札価格などを考慮した上で経済産業省の調達価格等算定委員会によって決められています。毎年、資源エネルギー庁の公式サイトにて公表されています。詳しくはこちらをご覧下さい。
電力を買い取る仕組み
再エネを導入したFIT契約者は、再エネで創った電力をケーブルにて電力会社の送電線に送る仕組みになっています。電力会社は、受け取った電力のデータを記録、毎月のトータルの電力量に応じて買取金額を契約者に支払います。
「FIT」の買取金額は再エネ賦課金から
契約者に支払う買取金額は、電力会社が電力使用者から回収する「再エネ賦課金」が使われています。「再エネ賦課金」は原則として電力を使用するすべての一般消費者・企業が支払うもので、この「再エネ賦課金」によってFIT制度が成り立っているといえるのです。