水力発電のFIT 概要
そもそも水力発電についてあまり知らないという方はこちらの記事を参考にしてください。
2012年に開始されたFIT制度の対象となる再生可能エネルギーの1つに、水力発電があります。
降水量に恵まれた日本では、水力発電は古くからエネルギー供給源として重要な役割を果たしてきていいます。渓流水,農業用水,上下水道,工場用水など活用の幅も広いことから、近年では中小規模の水力発電がCO₂削減やエネルギー自給において注目されています。
水力発電の各国の買取価格
水力発電の買取価格は、200kW未満の小水力発電で34円/kWh、3,000kW以下の中小水力発電の場合で29円/kWh、FIT制度が開始されてから価格の改定がないのが大きな特徴です。
参照:令和3年度以降の調達価格等に関する意見 – 調達価格等算定委員会
2021年度 水力発電のFIT買取価格
2020年~2022年度の水力発電のFIT買取価格が経済産業省のサイトから確認できます。
水力発電
2021年度の1kWhあたりの買取価格は
- 200kW未満の小水力発電: 34円/㎾h 20年間
- 200kW以上1,000kW未満の中小水力発電: 29円/㎾h 20年間
- 1,000kW以上5,000kW未満: 27円/㎾h 20年間
- 5,000kW以上30,000kW未満: 20円/㎾h 20年間
となります。中小水力発電に関しては、2023年度までは同価格が適用されます。ただし、2022年度からは地域の災害時の電気活用など「地域活用要件」の対象となるため注意が必要です。
水力発電(既設導水路活用型)
既設導水路活用型は、すでに設置している導水路に電気設備・水圧鉄管を更新するタイプです。
水力発電のFIT 課題と対策
水力発電のFIT買取価格が、開始以来2021年まで維持されているのは、コストデータが少ないことや初期コストなどの問題から新規開発がほとんど進んでいないことが理由になっているようです。
2050年までの水力発電の導入見込み量
数十年前から存在する水力発電も多く、水力発電と聞けば、従来の大規模なダムを想像しがちです。現実的な導入がイメージしづらいことで普及が進まなかったのかもしれません。近年になってから、建物の排水管を利用するなど全く異なる小規模な水力発電への動きが徐々に見られ、今後の導入量の増加が期待されています。