太陽光発電のFIT 概要
そもそも太陽光発電とは?という方は、こちらをご参考にしてください。
太陽光発電を導入すると、導入した年度から10年~20年間にかけて、固定価格で電力会社から太陽光で創った電気を買い取ってもらえます。
このように固定価格で再エネの電気を買い取ってもらえる制度のことを「FIT/Feed In Tariff」といいます。
太陽光発電の各国の買取価格
意見 – 調達価格等算定委員会
年々、FIT買取価格は低下してはいるものの、日本の買取価格は主要国ではトップクラスにあります。
FIT制度は再エネ導入を支援・促進するために世界中で採用されている制度です。日本は2009年11月に導入開始。2012年には法律で制定され、年度ごとに1kWあたりのFIT買取価格が経済産業省より公開されています。
2021年度 太陽光発電のFIT買取価格
2020年~2022年度の太陽光発電のFIT買取価格が経済産業省のサイトから確認できます。
2021年度の1kWhあたりの買取価格は、
- 10kW未満: 19円/kWh 10年間
- 10kW以上50kW未満: 12円/kWh 20年間
- 50kW以上250kW未満: 11円/kWh 20年間
- 250kW以上:入札制度により決定/kWh 20年間
となります。導入する太陽光発電の出力規模によってFITの買取価格や契約期間など4種類に区分されています。
また、太陽光発電は出力規模に応じて、低圧、高圧、特別高圧/特高と大きく3つのタイプに分けることができます。
出力10kW未満(低圧)
10kW未満とは、一般的に住宅用太陽光発電のことを指し、低圧に分類されます。太陽光発電の電力を家庭で消費することが前提となっているため、原則として「余剰買取」の10年間契約しか利用することができません。
法人が設置した場合でも10kW未満は住宅用と見なされるので注意が必要です。
10kW未満の太陽光発電は余剰分しか売電に回せないことや、発電量が限られていることから、4種類の契約内容の中では最も高い買取価格が設定される傾向にあります。
出力10kW以上50kW未満(低圧)
10kW以上の太陽光発電は非住宅・産業用太陽光発電のことを指し、50kW未満までは低圧太陽光発電に分類されています。
2019年度までは50kW未満でも、「余剰買取」と「全量買取」の選択が可能でしたが、2020年度以降から自家消費を推奨するにあたって、「30%以上の消費」が義務づけられるようになりました。買取価格は住宅用よりも若干下がるものの、契約期間は20年間と設定されます。
30%以上の自家消費に加えて災害時の自立運転機能が必須となるなど、低圧太陽光発電の設定要件は、経済産業省の「地域活用要件」にて詳しく解説されています。
出力50kW以上250kW未満(高圧)
50kW以上250kW未満の太陽光発電は非住宅用で、高圧太陽光発電に分類されます。
このタイプの太陽光発電は、住宅用・非住宅(低圧)よりもさらに価格が下がる傾向にあります。契約期間は20年、現時点では自家消費要件なしで全量・余剰と選択できることがメリットです。
2022年度はFIPの選択も可能。今後は高圧太陽光発電に関してはFITからFIPへの移行が検討されています。
出力250kW以上(高圧)/出力2000kW以上(特別高圧)
250kW以上は高圧で、その中でも2000kW以上は特別高圧に分類され、メガソーラーとも呼ばれます。どちらのタイプも入札制度にて買取価格が決定される仕組みになっています。
年間に4回の入札が実施され、応募する時期によって落札価格も変わってきます。落札にて買取価格が決定すると20年間で契約します。
太陽光発電のFIT 課題と対策
周知のごとく太陽光発電のFIT買取価格は年々低下してきています。加えて、FIT制度が終了する卒FITの数も増えてきています。
買取価格の低下や、FIT制度の終了後を不安に思う方もいるようです。
買取価格の低下は、結局のところは設備費用も年々低下しているため、実質のコスト対効果はこれまでと変わらないのが現状です。自家消費率を上げることによって、さらにコスト対効果を向上させることができます。
また、電力自由化によって、これまでになく電気小売り事業者間の価格競争が活性化してきています。FITのみにこだわらなくとも、再エネで売電収入を得る選択肢も増えてきているのです。
太陽光発電FITを上手に活用するためには、自家消費とFIT終了後を視野に入れた導入計画がキーワードとなるでしょう。
参照:「FIT制度のこれから」- 資源エネルギー庁
太陽光発電のFITに関連する記事はこちら!