その他の再エネ発電
太陽熱発電
太陽熱発電とは、太陽の熱から生じる蒸気を利用して発電する方法です。熱から発生する蒸気エネルギーがタービンを回転させ、その回転エネルギーが電気を創出します。太陽光発電との違いは、太陽光発電では光をモジュールに集積して電力に変換しますが、太陽熱は熱を集めて蒸気を発生させ、タービンを使って電力を創ります。
太陽熱利用
太陽の熱エネルギーを利用して給湯や冷暖房設備に活用する方法もあります。「太陽熱温水器」「太陽熱床暖房」などで、単純に太陽の熱をそのまま活用するので、導入もシンプルでコストも安く抑えられます。
水素発電
水素発電は、水や酸素に含まれる「H₂/水素」を使って発電する方法です。水や酸素は世界中どこに行ってもほぼ無限に存在し、天候にも左右されない安定性が高いエネルギーです。すでに、一部の電池自動車や発電所にて水素エネルギーの実証実験が開始されています。
水や酸素からだけでなく、石油や天然ガスなどの化石燃料からも調達できるため、再エネとは区別されることもあります。調達方法においてCO₂を排出しない方法をとれば、完全に再エネに属するエネルギーとして世界中で注目されている新しい分野です。現時点では、まだ発電コストが高価なため、普及はかなり緩やかです。
潮流・波力電力
洋上風力発電の普及拡大とともに導入が進んでいるのが、潮流・波力電力です。潮流・波力電力とは、海洋の潮の流れや波の力を活用して電気を創る発電方法です。
日本同様に海に囲まれた島国、イギリスでは政策として潮流・波力電力の開発が進んでいます。スコットランド周辺の海域では「メイジェン」と呼ばれる世界最大規模の潮力発電プロジェクトが進行しています。
その他の再エネ利用法
発電はしなくても、再エネが電気同様に利用されているケースや、開発中の発電方法などを最後にいくつかご紹介します。
- 雪氷熱エネルギー →冷熱を冷房システムとして活用
- 温度差熱利用 →空気と水などの温度差を利用した都市型エネルギー
- ミドリムシ燃料 →バイオ燃料の一種で微生物を燃料として使う
- 廃プラスチック発電 →化石燃料の削減と資源リサイクル(CO₂は若干排出する)
- 冷却発電 →IT機器や発電設備の冷却時に失われる電気から発電(実験中)
2021年、ここにきてパリ協定「脱炭素・ゼロエミッション」の目標に向けて、世界各国では再エネ導入の動きがこれまでになく加速しています。最新のテクノロジー・アイデアを活用した再エネのさらなる展開が、今後も期待できるでしょう。