太陽光発電の基礎知識
太陽光発電とは
太陽光発電とは、文字通り太陽の光と熱を集めて、使用可能な電力に変換する発電方法です。地球に太陽の光が届く限りは利用可能な発電方法で、その資源はほぼ無限に近いといえます。日常的な自然環境から容易に入手できることに加えてCO₂を排出しないことが大きな特徴です。
太陽光発電の仕組み
太陽光発電は、建物・工場・駐車場の屋根、農地や遊休地などに「太陽電池モジュール」と呼ばれる「ソーラーパネル」を設置することで、太陽の光を集めて発電する方法です。
太陽光発電では光エネルギーから電力を創出します。
「ソーラーパネル」に集めた太陽の光・熱はシリコン半導体を介して直流電流に変換されます。直流電力となった太陽の光は「パワーコンディショナー」によって使用可能な交流電力に変換されます。
「パワーコンディショナー」から建物内外の電気配線を通って、消費する電力に回したり、売電するために電力会社に回したりと調整できます。
参照:太陽光発電システム構成例 – 太陽光発電協会
太陽電池モジュールの構成
太陽光発電の普及状況
太陽光発電は設備に費用はかかるものの、太陽が日照する場所であれば誰にでも取り組める発電方法として、今世界で最も注目されている再生可能エネルギーです。国内外の普及状況を見ていきましょう。
世界の普及状況
「国際エネルギー機構 IEA」によると、2000年~2019年のOECD加盟国における再生可能エネルギーの普及状況は、太陽光発電が38.5%、風力が19.5%、次いでバイオ燃料が15.9%となっています。2040年には世界の電力の25%~30%を太陽光発電が占めるとの見解です。
参照:Renewable energy information – IEA
日本国内の普及状況
「環境エネルギー政策研究所」の報告によると、2019年度の時点で再生可能エネルギーが占める割合は19%で、太陽光発電の比率は全体の7.6%と最も高くなっています。日本は中国、アメリカに次いで太陽光の普及率は第3位です。
ちなみに、日本国内の電源構成の1位は天然ガス、2位は石炭です。
参照:データでみる日本の自然エネルギーの現状 – 環境エネルギー政策研究所
太陽光発電の豆知識
光が電子に吸収されると電力を創る現象を「光電効果」といいます。「光電効果」は1905年にアインシュタインによって発見された理論で、ノーベル賞を受賞しています。「光電効果」は物理学や半導体技術の基盤となる重要な理論で、産業技術・電子技術など様々な分野に高く貢献しています。
NASAやJAXAでは、2016年から太陽光エネルギーを人工衛星からマイクロ波やレーザーを介して地上(地球)に無線伝送する実証実験を開始しています。太陽光発電技術は近年では革命的に進化しており、太陽光発電をはじめとする再エネが世界の電力100%を占める日がくるのも、そう遠くはないのかもしれません。