FIT-風力発電

この記事は約5分で読めます。

風力発電のFIT 概要

そもそも風力発電とは?という方は、こちらを参考にしてください。

風力発電は、2012年に開始されたFIT制度の対象となる再生可能エネルギーの1つです。

FIT制度によって導入促進が図られてきましたが、買取価格を導入コストが大きく上回る傾向にあったため、太陽光発電ほどFIT制度が浸透していない再エネです。

電力系統の制約も多く、環境アセスメントの手続きに手間・時間がかかるなどまだ課題は多いものの、徐々に導入環境の見直しが図られています。

風力発電(20,000kW)の各国の買取価格

出典:令和3年度以降の調達価格等に関する意見 – 調達価格等算定委員会

20kW未満の風力発電の買取価格は、FIT制度開始から2017年度までは55円/kWhでしたが2017年以降は20kW以上の買取価格に一本化されました。20kW以上に関しては上図のグラフのように2017年までは22円/kWhだったものが、2020年度以降は10円台後半まで下がってはいるものの、海外と比較すると高水準にあります。

洋上風力発電については、2014年以降に買取価格が36円/kWhに設定され、着床式は2020年以降に入札制度へ移行、浮体式は現在まで変更はありません。一般海域の海域利用ルール整備にともない、今後の洋上風力発電の導入量の増加が見込まれています。

参照:再生可能エネルギーの現状と将来 – みずほリサーチ&テクノロジーズ

2021年度 風力発電のFIT買取価格

2020年~2022年度の風力発電のFIT買取価格が経済産業省のサイトから確認できます。

出典:固定買取制度 買取価格・期間等 – 資源エネルギー庁

2021年度の1kWhあたりの買取価格は、

  • 浮体式洋上風力: 36円/kWh 20年間
  • 着床式洋上風力: 32円/kWh 20年間
  • 陸上風力(リプレース): 15円/kWh 20年間
  • 陸上風力(250kW未満): 17円/kWh 20年間
  • 陸上風力(250kW以上): 17円(入札により決定)/kWh 20年間

となります。設備構造の種類によって買取価格が大きく異なり、浮体式洋上風力発電が最も高く、陸上風力リプレースタイプはやや安めの傾向にあります。

風力発電の設備構造の種類

出典:洋上風力が日本のエネルギーを支える – 日本エネルギー財団

比較的に太陽光発電よりは高い買取価格が設定されており、現時点では全量・余剰といった区分はありません。いずれの場合も20年間の契約となるのが特徴です。

参照:固定買取制度 買取価格・期間等 – 資源エネルギー庁

洋上風力

浮体式洋上風力

浮体式洋上風力発電は陸上への送電線増強に莫大な費用がかかり、接続コストが過大となることから、国内外を問わず現時点で急激に普及が進むことはないとの見解です。

2019年に設定された36円/kWhの買取価格が、そのまま2020年、2021年、さらに2023年まで継続して据え置かれています。

着床式洋上風力

着床式洋上発電は、2019年度に制定された「再エネ海域利用法」の施行により案件の急増が見込まれ、2020年度以降は入札制度の対象となっています。「再エネ海域利用法適用外」に関しては入札を廃止。2020年度の入札価格から、2021年、2022年の価格が設定され、2023年度に関しては新たに協議されるとのことです。

参照:令和3年度以降の調達価格等に関する意見 – 調達価格等算定委員会

陸上風力

陸上風力リプレース

陸上風力リプレースは、2017年度から新たに付け加えられたFIT制度です。リプレースとは設備更新された案件のことで、今後は設備寿命20年を超える風力発電が増えてくることを踏まえて、導入を促進するために制定されました。

陸上風力250kW未満・250kW以上

陸上風力全体のkWhあたりのコストは概ね10円台前半で推移し、中には10円以下を実現している案件もあるとのこと。大規模な設備ほどコストが低い傾向にあることから、250kW未満は入札対象外、250kW以上は入札制度にてFIT価格が決定されています。

参照:令和3年度以降の調達価格等に関する意見 – 調達価格等算定委員会

風力発電のFIT 課題と対策

風力発電導入のネックとなっているのが導入コストです。風力発電は、ブレードの総面積によって得られる電力量が大きく異なります。導入コストを極力抑えるためには、大規模な設備にて十分な電力を得る必要があります。

ただ、国土が狭い日本では陸上風力発電のプロジェクトを組むにも限界があります。そこで注目されているのが洋上風力発電です。海に囲まれた日本は、洋上風力では有利な環境を有しています。日本国土の海岸周辺の潜在的な電力ポテンシャルは年間で約9,000TWhにも上るといわれています。

洋上風力発電は接続系統に多大なコストがかかるものの、陸上風力と比べるとFIT買取価格は約20円も高くなります。得られる電力量次第では、コスト対効果が高い運用も期待できます。

洋上風力発電の導入にあたっては、「再エネ海域利用法」で国が促進区域を指定しており、自治体や他業者との提携が必要不可欠です。

幸いにも洋上風力発電の買取価格の改定・値下げは緩慢な状況にあります。数年かけてプロジェクトを組むつもりで自治体・他業者と協業していくことが成功のポイントだといえるでしょう。

参照:洋上風力が日本のエネルギーを支える – 日本エネルギー財団

優遇税制セミナー

タイトルとURLをコピーしました