風力発電の基礎知識
風力発電とは
風力発電は、風のエネルギーから電力を創る発電方法です。風の運動エネルギーが、風力発電機のブレード(プロペラ)を回す回転エネルギーから電気が創出されます。
風さえあれば夜間でも発電できることが利点です。一定以上の電力の確保には大規模な設備が必要とため、国土に限界がある日本では欧州や欧米ほど普及は進んでいませんが、海岸沿いを中心に洋上風力発電への取り組みが行われています。
最近では小型の風力発電、小規模な風力発電にて補足的に電力を得る方法も国内で注目されています。
風力発電は大きく「陸上風力発電」と「洋上風力発電」と2つのタイプがあります。
陸上風力発電

陸上風力発電は、風力発電機を高台や農地、山林地などに設置して陸上変電所から送電ケーブルに電力伝送します。
洋上風力発電

洋上風力発電は、海岸沿い、港湾、洋上などに風力発電機を設置して、洋上変電所・陸上変電所を経て送電ケーブルに伝送されます。
近年になって、新分野として海底に設備を固定しない浮体型の風力発電が出現し始めています。
風力発電の仕組み

風力発電では、風がブレード(プロペラ)を回すエネルギーを電気に変換する仕組みです。古代から動力を得る方法として使われていた風車の原理が応用されています。
ブレードが回転することで動力が生まれ、その動力を増速機で倍増させ熱エネルギーをつくります。風力の熱エネルギーは発電機で使用可能な電気に変換されます。
風力発電システムの主要構成

風力発電の普及状況
世界の風力電力量マップ
風力発電の普及状況は世界では、中国が1位、米国2位、欧州3位となっています。

洋上風力に関しては、イギリスがトップで、日本は3位にライクインしています。

国内の普及率

国内における風力発電の普及率は2019年の時点では1.0%以下にとどまっていますが、年間の発電量は徐々に増加しており、今後の普及拡大が予想されています。
参照:自然エネルギー電力の割合 – 環境エネルギー政策研究所
風力発電の豆知識
風力は風を受ける面積によって、風速の3乗に等しいエネルギーを創出することが可能です。かつ増速機にて速度を倍増させるため、風力エネルギーの最大30%~40%が電気に変換できることが大きな特徴です。
風力発電では、より多くの電力を得るために、大規模でブレードが巨大なものが多い傾向にあります。

例えば、SBエナジーが建設している「ウインドファーム浜田」の風力発電システムは高さ107m、幅74mと航空機(ボーイング777-300)とほぼ変わらない大きさになるとのことです。
洋上風力発電の場合はさらに規模が大きくなり180mを超える発電システムもあります。ちなみに世界最大の風力発電は英国イングランド北部にある発電システムで高さ195mです。海洋であれば、規模を最大限に拡大できることが洋上風力発電の魅力になっているようです。