自然エネルギー大学リーグとは?その取り組みをご紹介!

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脱炭素社会を目指し、自然エネルギーを積極的に利用していくという世界的な流れの中で、その潮流は教育機関にまで及んでいます。

2021年に設立された「自然エネルギー大学リーグ」は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みの一つとして注目を集めています。

自然エネルギー大学リーグとは

自然エネルギー大学リーグは、日本国内の大学において自然エネルギーの活用などの促進を通じ、大学の運営に伴う環境負荷の抑制、脱炭素化を目指していく、大学・学生・企業などのネットワークのことです。

2021年6月に設立されたばかりで、加盟する大学は千葉商科大学、聖心女子大学、国際基督教大学、上智大学、和洋女子大学、東京外国語大学、長野県立大学、広島大学、東京医科歯科大学の9大学ですが、今後の活動の広がりによる大学数の増加が期待されています*。

*参照:「地球温暖化をキャンパスから考えよう 首都圏などの9大学が「自然エネルギー大学リーグ」」-東京新聞

なぜ自然エネルギー大学リーグは発足したのか

自然エネルギー大学リーグは、持続可能な社会づくりが求められている中で、自然エネルギーを活用し、地域分散型のエネルギー供給体系社会に変えていくことを目的の一つとして設立されました。

2019年時点で、世界の電力供給による自然エネルギーの割合は26.4%に対し、日本では18.5%と欧州諸国には遅れをとっています*。

しかし日本は自然エネルギー資源に恵まれているため、取り組みさえしっかり行えば、再エネ100%のモデルを示すことができると自然エネルギー大学リーグは考えています*。

国連が設定する持続可能な開発目標(SDGs)の達成のためには、企業、自治体、公的機関、NGOといった各主体でそれぞれの努力が必要になります。

そのため大学がまず行動を起こし、個々の大学が自然エネルギー100%を実現していくことでその見本となる。そうした活動をサポートし、社会にその輪を広げていく一つのモデルとして、自然エネルギー大学リーグの存在が重要な役割を果たしていくと考えられます。

*参照:「自然エネルギー大学リーグ」設立趣意書

自然エネルギー大学リーグの参加条件

電力に関して自然エネルギー100%の「RE100大学」になること。

これが、自然エネルギー大学リーグに参加する大学が共通して掲げる目標です。
そして、そのうえで以下の参加条件が設けられています*。

1. 大学(あるいはキャンパス)の使用電力量を目標に、2030年から2040年を目途とする自ら定める年限までに、自然エネルギー電力を生産もしくは調達することを大学として決定し、公表する。

2. 大学としてその具体的な計画を策定し、実行する。

自然エネルギー大学リーグへの参加は、大学組織全体で足並みをそろえて行うこともできますが、教職員や学生がまずは個人として参加して、大学全体を巻き込んでいくことも可能です。

参加条件は設定されていますが、その達成のプロセスでは、できる範囲で個人レベルから進めていくこともできるというわけです。

*参照:「自然エネルギー大学リーグ」設立趣意書

自然エネルギー大学リーグの取り組み

自然エネルギーの活用と脱炭素化の達成のために、大学組織や教職員、学生たちやそのほか関係者が、その知見の共有や人材育成、ネットワーク化や海外大学との交流などを行うことで、各大学の自然エネルギー活用に加え、同様に賛同し取り組みを進める大学を増やしていきます。

具体的には以下のような活動が行われます。

・セミナーの開催
・ホームページの運営やニュースリリースなどでの情報提供
・国内外の大学・専門機関との交流、ネットワークづくり
・教育プログラムの研究
・専門家等とのマッチング
・定例セミナーの開催

実際リーグに参加している大学はどんな活動をしている?

自然エネルギー大学リーグ設立における代表世話人、原科幸彦氏が学長を務める千葉商科大学では、千葉県野田市の野球場跡地にメガソーラー発電所(発電容量約2.88MW)を建設し、2019年1月には、キャンパスの消費電力と発電量を同量にするという第1段階「RE100大学」を達成しています*¹。

また同じく世話人となっている岩切正一郎氏が学長を務める国際基督教大学では、2015年から那須キャンパス(栃木県那須町)で太陽光発電所を運営し、年間約 240万kWhの発電量を確保しているとのことです*²。

聖心女子大学では、2020年5月に「気候非常事態宣言」を表明。国連等が標榜する普遍的な理念への支持や、食やゴミなどのキャンパス・ライフにおける活動を盛り込んでいるほか、ペットボトル削減のためにキャンパス内へウォーターサーバーの導入を進めています*³。

*参照1:「日本初の「自然エネルギー100%大学」に挑む」」-朝日新聞SDGs Action
*参照2:「「自然エネルギー大学リーグ」結成を呼びかけ」-朝日新聞SDGs Action
*参照3:「聖心女子大学「気候非常事態宣言(CED)」について」
-聖心女子大学

再生可能エネルギーを活用する意義

先述した千葉商科大学の原科氏は、再生可能エネルギーを活用する意義として

・安全で持続可能な自然エネルギーが活用できる
・地域分散型の小規模発電が可能

という2点を挙げています。

コロナ危機では、外出自粛や飲食店などの営業時間の短縮、テレワーク化など、これまでの社会では考えられなかったインパクトを人々に与えました。

持続可能な経済という経済的な観点からも、一極集中型の社会から地域分散型の社会へ移行していく重要性がフォーカスされましたが、地域分散社会の実現には、地域分散型のエネルギー開発が重要となります。そういった意味でも再エネの社会的な浸透を進めていく必要があると原科氏は考え、この新たな取り組みの代表世話人となっています*。

*参照:「日本初の「自然エネルギー100%大学」に挑む」-朝日新聞SDGs Action

まとめ

大学という法人単位でも、教職員や学生といった個人単位でも、当面の目標となるのは、大学のキャンパス内で消費される電力をすべて自然エネルギーでまかなう「Renewable Electricity100大学」を目指すことです。

これを最初の目標とし、その実現を目指す過程で日本にある豊富な自然エネルギー資源の活用・研究を行い、地域分散型のエネルギー供給体系へと社会を変えていく。

そして、そうした活動をほかの社会を構成する主体に波及させ、社会全体で持続可能な脱炭素社会に向けて活動すれば、やがて社会を変えられるというのが自然エネルギー大学リーグの大きな構想です。

自然エネルギー大学リーグの今後の発展に注目していきましょう。

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