工場で太陽光発電設備が導入される背景は?メリットや注意点、導入事例もご紹介!

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近年、エネルギー分野において再生可能エネルギーが着目されるようになり、工場でも太陽光発電を導入する事例が見受けられるようになりました。

ただ、工場で太陽光発電を導入するイメージがよく湧かないという方もいるかもしれません。
そこで今回は、工場で太陽光発電が導入される背景をはじめ、メリットや注意点、導入事例などをご紹介していきます!

工場で太陽光発電が導入される背景とその実情

太陽光発電において自家消費率という用語があります。太陽光発電によって発電した電気のうち、建物で利用した電気量の割合です。

自家消費率を低くして売電収入を高める方法が知られていましたが、近年は売電単価の引き下げによって、売電収入が減少傾向にあります。したがって、自家消費率を高めることにより、電気代を節約する利点が注目されるようになりました*。

工場に太陽光発電を導入することで、ピーク時に消費される電力を抑制できるので、契約電力の基本料金を下げることが可能です。

ただし自家消費型太陽光発電システムは、思い立ったらすぐに工場に導入できるわけではありません。導入するには、既設キュービクルの改造工事が発生します*。業者に対して、工場の図面共有や現地調査を行ったうえでシステム図を提出してもらい、工事をスタートしなければなりません。

参照1:「自家消費型太陽光発電のすすめー今後の太陽光発電は自家消費率が高い方がお得?」-太陽光発電総合情報
参照2:自家消費型太陽光発電システムー鈴木電機株式会社

工場で太陽光発電を導入するメリット

近年は地震や土砂崩れなどの災害が相次ぎ、インフラの崩壊によって電気が利用できなくなってしまうリスクが懸念されています。

大規模な例のひとつには東日本大震災があります。原発事故や火力発電設備の被災によって、東京電力は十分な電力が確保できなくなり、断続的に計画停電を実施する事態に陥りました。

その点、工場に太陽光発電を導入して自家消費できる環境を整備しておけば、万が一の事態でも工場の設備を停止させなくて済むようになります。 特に、食品関係や薬剤関係の工場であれば、商品や材料の保存の観点から、壊滅的なダメージを受ける事態を回避できるでしょう。

参照:「東日本大震災…企業を襲った「電力不足の混乱」を振り返る」ー幻冬舎Gold Online

工場で太陽光発電を設置するときの注意点

引用:「太陽光発電のメンテナンス」-職業情報提供サイト(厚生労働省)

ここからは、工場で太陽光発電を導入するときの注意点を解説していきます。

注意点1.工場の改修が必要になる

太陽光発電の導入にあたって必須なのが太陽光パネルです。

一般的に心配するような荷重はかからないのが太陽光発電の良いところではありますが、工場屋根の設計や老朽化により重さに耐えられないのであれば、屋根の改修が必要になるケースがあります。

当然、改修にともない費用が発生する点は把握しておきましょう。

注意点2.工場の耐震性が下がってしまう

太陽光パネルを設置すると、建物の重心が変化し、耐震性が下がる可能性がある点にも注意が必要です。

災害によって建物が大きなダメージを受けてしまえば、工場の設備そのものが故障してしまいかねません。専門業者と相談して慎重に導入しましょう。

注意点3.導入後にメンテナンスや修理が必要

太陽光発電は導入したあとに、メンテナンスが必要な場合もあります。

たとえば、太陽光パネルは砂ぼこりや鳥の糞など、さまざまな汚れが蓄積されてしまいがちです。雨でも流し落とされますが、汚れが蓄積された場合には発電効率の低下を招くため、専門業者に清掃してもらうことも選択肢の一つです。

また、機器が壊れてしまった場合は、修理や交換をしなければならないので、初期費用とは別にコストが発生する可能性も把握しておきましょう。

注意点4.さまざまなトラブルのリスクがある

太陽光発電設備ならではのトラブルが存在します。

感電トラブル

太陽光発電システムは、太陽光を受けている昼間の時間帯に発電を止められません。そのため、配線が破損しているときに、接触したり放水したりすると感電するリスクがあります。

落下トラブル

太陽光パネルは基本的に屋根に設置されます。万が一火災が発生して、消防隊員が消火活動を屋根で行った場合、少しでも感電するとバランスを崩して、落下してしまう可能性があります。

注意点5.設備導入時に停電が発生

太陽光発電を工場に導入するときは停電が発生します。一般的に停電作業を行うときには、ブレーカーの入り切りなどを計画的に行い、正しい手順で電気設備を復旧させなければなりません。

工事の担当者に任せればよいと考える方もいるかもしれませんが、実際は工場側の電気設備関連技術者の立会いのもとで作業が進められます。導入時の停電による影響を把握し、工場関係者に周知する必要があるでしょう。

工場における太陽光発電の導入事例

最後に、工場に太陽光発電を導入して成功している事例をご紹介します!

マーブ工業株式会社

引用:マーブ工業株式会社様ーエネマネX

マーブ工業株式会社は、静岡県で1975年からアルマイト加工を行っている会社です。
自家消費で余った電気の売電と、スレート屋根の遮熱効果を目的に太陽光発電を導入しました。

ソーラーパネルは工場の屋上に設置されています。

年間電気代は32万円、設置容量は15.6kW、年間発電容量は18,000kWhです。導入によって、電気代削減率は60%を超えています。二酸化炭素の排出量も削減しているとのことです。

まとめ

以上、工場で太陽光発電が導入される背景やメリット、注意点などを解説しました。

太陽光発電設備の工場への導入に興味を持っていただけたのではないでしょうか。
導入後のコストや設置のトラブルも把握したうえで、導入を検討してみてください!

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