『TCFD』とは?概要を解説!第2回

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今回は、TCFDについての第2回となります。日本と世界の企業の取り組みの状況と、具体的にTCFDの賛同企業が求められるやるべきことについてまとめます。第1回は、TCFDの概要と取り組むメリットについてまとめています。そちらが気になる方はこちらをご確認ください。

賛同企業の広がり

TCFDへの賛同は、脱炭素化の流れとあわせて世界のスタンダードになりつつあります。
TCFDの趣旨に賛同する機関は、2021年1月時点では世界中で1,741機関となっています。また、日本では340機関が賛同しています。2019年8月時点の賛同機関数と比較すると、世界全体で2.1倍、日本単独で1.8倍増加増加していることが分かります*。また、2017年当初100機関からスタートしており、4年目の段階ですでに17倍以上という急激な増加を示しています。

推進への取り組み

TCFDに取り組む企業や機関がここまで増えているのは、以下のような推進への取り組みが強化されている影響が大きくあります。
*参照|環境庁 地球温暖化対策課「【参考資料】気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の概要」より

  • CDP質問書(気候変動)が2018年よりTCFDに沿ったものに改訂
  • Climate Action100+にて、大手金融機関493社*がTCFDでの開示を大手企業に161社*に要請
  • 欧州委員会、英国、中国などの政府がTCFDを利用した開示への制度や規制を検討

日本の賛同企業

TCFDへの賛同機関を国別でみると、最も多いのが日本となっています。日本に次いで、イギリス(270機関)、アメリカ(255機関)が賛同期間が多い国になっています。日本の賛同期間の特徴は、非金融機関が多い点にあります。

参照|環境庁 地球温暖化対策課「【参考資料】気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の概要」より
参考|TCFDコンソーシアムホーム『TCFDとは』

日本の賛同企業例

金融機関では、メガバンク3社を始めとした銀行や、野村ホールディングスなどの証券会社や日本生命保険相互会社などの保険会社など多数の金融業界の企業が賛同しています。また、東京電力などのエネルギー会社やANAホールディングスなどの運輸や素材・建築や電気・機械・通信など様々な業界の企業が賛同しています。また、賛同機関としては環境庁や金融庁や経済産業省や経団連も含まれています。

参照|環境庁 地球温暖化対策課「【参考資料】気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の概要」より

TCFDガイダンスとTCFDコンソーシアム

日本の賛同機関が多い背景には、2018年12月に経済産業省がまとめた『TCFDガイダンス』があります。このガイダンスは、世界初の政府機関がまとめたガイダンスであることと、自動車や鉄鋼や化学など業種別に開示についてポイントがまとめられているという2つの特徴があります。

また、TCFDコンソーシアムとはTCFDにおける企業の効果的な情報開示とその情報開示から適切な投資判断をするための取り組みを議論する機関になります。そして、そこからTCFDガイダンスの改訂につなげていく狙いがあります。

参照|環境庁 地球温暖化対策課「【参考資料】気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の概要」より

TCFDの賛同機関が行うべきこと

TCFDに賛同する機関は、気候変動についてその取り組み状況を外部に情報開示を進める事が求められます。具体的には、以下の4項目が全ての賛同機関に求められます。

  • 2℃目標など気候シナリオを用いる
  • 自社の気候関連リスクと機会を評価する
  • 経営戦略・リスク管理へ反映する
  • これらの財務上の影響を把握して、財務報告書等で開示する

開示基礎項目

上記のTCFD賛同機関として求められる行動に対してその状況を情報開示することとなりますが、その情報開示において必要となるのが以下の4つの開示基礎項目にまとめられます。
参照|環境庁 地球温暖化対策課「【参考資料】気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の概要」より

  • ガバナンス
  • 戦略
  • リスク管理
  • 指標と目標

ガバナンス

ガバナンスとは、気候関連リスクと機会に対して経営の関与の在り方と会社全体としてどのように体制づくりをおこなっているかを開示することです、。具体的には、『取締役会の監督体制』と『リスクと機会の評価・監理における経営者の役割』などを開示することが求められます。

戦略

気候変動が事業・戦略・財務に対してどのように影響するのかを開示します。具体的には、気候関連リスクや機会が短期・中期・長期的にどのように事業や組織に発生していくのか開示します。その上で、『事業・戦略・財務』に及ぼす時の影響分野とその影響を特定するプロセスを開示します。そして、リスクと機会に対する戦略とその強靭性などを開示します。

リスク管理

気候関連で重要となるリスクについて、識別・評価/リスク管理をどのようなプロセスで実施していくか。また、組織全体のリスク管理のなかに気候関連リスクの識別・評価・監理プロセスの統合方法について開示します。

指標と目標

気候関連リスクと機会の評価や管理に用いる指標や目標とそれらに対する実績、ならびに温室効果ガス排出量の開示を行います。

まとめ

全2回でTCFDについて、解説を行ってきました。
地球全体の環境問題は、世界共通で取り組むべき大きな課題です。また、環境問題への対応が企業にとって事業継続や成長あるいは企業自体の存続のために必須の事項となりつつあることがご理解いただけたでしょうか。

政府機関や上場企業などが環境問題へ取り組み、かつ比較できる形でその内容を開示すること、それにより投資家が適切に評価できるTCFDの取り組みはまだ始まったばかりです。TCFDの取り組みが社会全体に広がっていくことが望まれます。

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